研究室のその他の成果  いずれも当時としては世界初の成果です 
3次元形状計測シート

2008 論文
自分自身の3次元形状を計測できる布状デバイスの提案。布に網目状に実装した多数の剛体リンク上に小型センサを実装。各センサでの重力加速度と地磁気ベクトル計測値を集約して布の3次元形状を推定します。当時の学生 星貴之氏の発案。
   
接触面積を計測する非線形触覚素子

2004 論文
一つのユニット内での接触面積を、弾性体の(応力-変位間の)非線形特性を利用して計測する手法。表層、深層に弾性特性の異なる2層の弾性体を配置。それぞれについて層の上面と下面の間の静電容量を計測すると、この2つのパラメータから圧力の合計値と接触面積が推定されます。構造は非常に簡単です。
   
吸引圧による触覚ディスプレ

2003 論文
細い穴を通して皮膚を吸引すると、(穴の直径が部位に応じて十分小さい場合に)何か細いものが押し当てられたような錯覚を生じます。この現象は浅村直也氏によって発見され、牧野泰才氏によってその理由が解明されました。
   
水中超音波触覚ディスプレイ

2001 論文
水中超音波を収束させ、その放射圧によって触感を再現します。水の表面に超音波を反射する薄い膜を配置し、その上から触ります。超音波触覚ディスプレイの一連の研究は岩本貴之氏が主導しました。
   
触覚解像度の解明

2001 論文
当時は皮膚の空間解像度と、各計測点での変形特徴抽出機構とがきちんと分離して議論されていませんでした。この論文で、触覚解像度のモデルを提案しました。現在多くの人がこのような考え方をしていると思いますが、まだ科学的に証明されているわけではありません。
   
摩擦係数の瞬時計測

2000 論文
皮膚が対象物体に触れた瞬間に、両者の間の摩擦係数を推定できることを理論的に示し、そのような知覚を行うセンサを実現しました。ほぼ同じ時期に慶応大学前野研究室でも同様な提案が行われています。
   
振動式小型光距離センサ

1999 論文
散乱性と鏡面性をあわせもつ対象表面についても 安定に距離を検出する小型センサ。センサの汚れに対しても頑強。無侵襲外科手術においてカテーテルから組織までの距離を計測するセンサ等として応用可能。
   
音響共鳴型テンソルセル

1996 論文
弾性体中の空洞に生じる空気音響共鳴周波数のシフトから、弾性体の多自由度変形を計測するセンサ。人工皮膚の内部に硬い部品を導入することなく多自由度の変形を精密計測できます。
   
3次元構造触覚センサ

1990-1995 論文1 論文2
東大工学部計数工学科 安藤繁研究室で1990年から1995までの間に行われた触覚研究です。篠田は研究室の助手でした。検出点を皮膚表面に対して垂直に配置して表面接触分布のスペクトルを推定する「垂直サンプリング法」、表面の力の分布の次元を一つの計測点で推定する「テンソルセル」などのセンシング原理を提案しました。