空中超音波触覚ディスプレイ

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空中 超音波触覚ディスプレイ (AUTD) は、多数の超音波振動子を格子状に並べた超音波振動子アレーにより、空中の任意の位置に超音波の焦点を作り出すこと で、何も装着していない人体表面に振動触覚を提示することができるデバイスです。超音波の焦点においては音圧の振動の他に音響放射圧という静的な圧力が発 生しており、これが人体表面で遮られることにより人体表面を押す力が発生します。焦点の位置は高速に (秒間2000回程度) 変更することができ、この圧力 を人間は触覚刺激として感じることができます。

超音波振動子アレーが焦点を作る仕組みは、それぞれの振動子が、焦点の位置においてちょうどぶつかるようにタイミングを計って超音波を放射する「フェーズドア レー」の原理によるものです。この原理による焦点形成において振動子アレーは音を一点に集めるレンズの働きをしているため、レンズすなわちアレーが大きい ほど遠くにぼけのない焦点を作ることができます。これを実現するべく、私たちのグループはアレーのユニットを複数並べて協調動作させることにより、大きな開口 (振動面) を実現しました。

fireworks_handAUTD は生成する圧力の大きさを時間的に制御することで、振動感を提示することができます。この振動は単純なブザーのようなものだけでなく、人間の触覚提示にお いては十分な周波数 (1000Hz程度) の範囲で自在にデザインすることができます。振動波形を変化させることにより、軽い物が衝突する感じ、虫がぬるぬる這うような感じ、あるいは花火が爆ぜているかのような感覚など、さまざまな触感を提示することができます。また刺激を与える部位や力の分布も、皮膚表面で自由に変化させることができます。人体表面に映像を投影し、それに合わせた振動触覚を同期して提示することでバーチャルな物体の存在を視覚的にだけでなく、触覚的にもリアル に感じることができます。

◆より詳細な説明:


・空中超音波触覚ディスプレイ: (SIGGRAPH 2008 E-tech 動画)

超音波で触感が再現できることを報告し、基本的な特性を整理した論文


Touchable Holography  さわれるホログラフィ (空中立体映像とのインタラクション) について:

空中映像と同期して空中触覚提示を行った世界で最初のデモ (SIGGRAPH 2009 E-tech 動画)


Tactile Projector  触覚プロジェクタ (人体表面への映像と振動触覚の非干渉同時提示)(youtube 動画)

大面積での超音波フェーズドアレイと触覚プロジェクタの実証研究 (World Haptics Conference 2013 でデモ)


・Haptomime  空中触覚タッチパネル  youtube 動画
(ACM UIST 2014 および デジタルコンテンツエキスポ 2014でデモ)

空中映像と触覚の同期の効果を実証した研究。この研究を契機として、多くの人々が空中触覚提示に強い期待を抱くようになった。


・3D 触覚ホログラム youtube 動画1 動画2

3次元的な音響エネルギ分布を計算し触感を提示した初めての研究。周囲を取り囲む超音波源による定常的な定在波により、音や気流を感じることなく、3次元物体形状を体感できる空中触覚提示を世界で初めて実現した研究。


・Haptoclone ハプトクローン、視触覚クローン 解説ページ youtube 動画

お互いの高忠実3次元映像と、触覚を伴って触れ合うことができる世界初のシンメトリック・テレイグジスタンスシステム。